切り絵と完璧主義


【育脳寺子屋 編】
子どもたちのお勉強は「切り絵」からスタートします。
「切り絵」をすることで、
ボーとして教室に入ってきた子どもは集中し、やる気モードに変わっていくし、
興奮気味に入ってきた子どもは、落ち着いていくことができます。
先生に言われなくても、
自分自身で自然にお勉強気分を作っていくことができるのです。

さて、今日は小2のリュウ君(仮称)のこと。
リュウ君はここ数ヶ月、せっかく「切り絵」を完成させても、
すぐにクシャクシャにして、ゴミ箱に捨てていました。
ごみ箱に捨てる理由を聞くと「適当にやったから」と言います。
まだあまり手先が器用ではないので、思うように切れず、
りゅう君のプライドが「適当にやったから」ということにしておきたいのでしょう。
りゅう君の中でその切り絵は「失敗作」。
ごみ箱に捨てる本当の理由は、
「失敗作をオレが作った物として残したくない」、
ということだろうと思います。

先週の切り絵は「馬」でした。
複雑でなかなか難しいものだったのですが、
最後まで丁寧に切っており、
完成品を見せにきてくれました。
そして、彼は私に「ファイルない?」と聞きました。
他の子どもたちは、完成した切り絵を
クリアファイルに入れて保存しているのですが、
彼も取っておきたい気持ちになったのです。
納得のいく「馬」が切れたのだと思います。

理想が高く、失敗が怖い彼は、この先も葛藤が多いだろうと思います。
「完璧にしたい」と自分自身でハードルを上げてしまって、
取り組むことができなくなってしまう教材もあったりします。
完璧をめざして努力することは大切ですが、
完璧でなくても許せる心の余裕を
この先少しずつ身に着けられるよう、
ふさわしい声掛けができればと思います。

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この記事を書いた人

堀畑 正浩のアバター 堀畑 正浩 個別指導志祐舎 塾長

長年大手製造業に勤務をしていたが、知人から塾業界に誘われ、塾業界の魅力に取りつかれ転身。未来ある子供たちと関われる塾の仕事が今では天職だと感じている。
某地元塾に8年間勤務し、2000年に独立し、志祐舎 中央教室を彦根市に開校。2015年には市内戸賀町に戸賀教室を開校し、現在に至る。塾歴は27年。

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